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新東宝。昭和25年に東宝から分離独立し、昭和36年には終焉を迎えた映画会社です。
初期は文芸作品などを手がけていたものの経営は窮地に。そこで登場したのがワンマン社長大蔵貢。昭和30年末に就任した彼は
"映画=見せモノ"という哲学で、毎週のように低予算映画を連発。そのほとんどがエロ・グロ・ナンセンスを押し出した作品群でした。が、時には「明治天皇と日露戦争」などの超大作を送り出し新東宝は再び活気を取り戻します。
しかし、この低予算路線も次第に廃れ大蔵は解任。昭和36年には倒産してしまいました。
そんな新東宝が大蔵貢就任後の1956年(昭和31年)に公開した「女真珠王の復讐」。
この映画こそ、日本映画史上初めてオールヌードを披露した映画なのです!(といっても10秒にも満たないシーンなのですが…)
物語は…
貿易会社に勤める木崎芳男は社長の別荘を訪れるが社長は殺され現金が奪われていた。木崎は疑われ逮捕される。
一方、専務の浅沼とともに渡米中であった彼女・夏岐。実は浅沼も夏岐に好意をよせていた。船上で説きつけようとする浅沼。その手を振り解こうとしたとき、夏岐は船から転落してしまう。
孤島に打ち上げられた夏岐は、同じく漂着していた難破船の乗組員に救われる。ここで女に飢えた男達と人波乱(笑)。
ある日夏岐は海中で真珠貝の宝庫を発見。数年後、救助された夏岐は真珠王ヘレンと名乗り日本に戻る。
彼女は木崎の無罪を晴らすべく真相を解き始める…。
というお話。前半はお色気で引き付けておいて後半はサスペンスにといういかにも大蔵的な作品です。
さて、この作品でオールヌードまで披露した主演女優・前田通子について…
昭和30年に新東宝に入社。「三等社員と女秘書」でデビュー。ということは翌年には主演デビューということになります。
その後も新東宝の"お色気サスペンス"には欠かせない女優として活躍しましたが…昭和32年の「金毘羅利生剣」で加戸野五郎監督に「裾をまくれ」言われますがこれを拒否。大蔵の逆鱗に触れ新東宝を追放。同時に関係のあった志村敏夫監督も解任という事件に発展してしまいます。その後「怪獣マリンコング」(1960年)などのテレビ作品で活躍するもパッとせず、ナイトクラブやキャバレーで歌っていたそうです。
さて、その前田さんが1999年突如スクリーンに登場しました。かつて新東宝で活躍した故・石井輝男の作品「地獄」で閻魔大王を演じたのです。あれから40年以上。さすがにおばあちゃんになっていましたが、元気な前田さんを見れて嬉しかったです。
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