|
以前にマグマ大使の回(その1)で書きましたが、手塚作品は単行本化の際に”意図的”に内容を変えてしまうことがよくありました。
今回は紹介するのは、「鉄腕アトム アルプスの決闘」(「少年」昭和31年新年号別冊付録)です。この作品は諸般の事情で
手塚本人が描けなくなったため、代わりの漫画家が代筆したというものです。
このため、現在発行されている単行本では”意図的”ではなく”やむなく”内容が変えられています。
ストーリーは…
クリスマスの夜、麻薬密輸団「まぼろしクラブ」のよりアトムの両親は謎のロボットにさらわれてしまいます。
悲しみにふけるアトムの前に、天馬博士が現れます。彼はアトムを作った科学者。そしてちっとも大きくならないアトムを
サーカスに売ってしまった男。その後、彼は実験中に失敗、浮浪者のような生活をしていたのです。
博士は両親を助ける方法を教えるかわりに、自分のもとに帰ってきてほしいとアトムに訴えます。
アトムは条件をのみ悪をたおし、両親を助け、博士のもとへ。しかし、博士は
「両親によく孝行しなさい。時には私のことも思い出してくれ」という置手紙を残して姿を消していました。
…という、天馬博士が改心するちょっと感動的なお話です。
この作品、前半は確かに手塚の絵なのですが、後半から「おやっ?」となります。
その後半部分を描いた人。それはなんと若き日の桑田次郎(現・二郎)であります。彼はその後「月光仮面」、「エイトマン」といった
メジャーヒーローを次々に作画していくわけですが、まさかその桑田次郎がアトムを描いていたとは!!
で、この最後のページには、「手塚先生、ご病気のため三十三ページから、先生の案を、桑田次郎先生がおかきになられました」という
注釈が書かれていますが、本当のところはどうだったんでしょうね。
|