手塚治虫・削除されたページB

ジャングル大帝 漫画少年版

 みんなが知ってる「ジャングル大帝」。
 しかし!!今回紹介する「漫画少年版」はちと違う!
 本当の意味でのオリジナル版がこれ。もしかしたら二度と読めないかも。削除されたページというよりは闇に葬られた作品なのだから!

 アフリカのジャングル。ここにパンジャという白いライオンがいた。
 原住民たちはハムを雇いパンジャ狩りを行う。パンジャを射止めたハムは原住民の月光石を手にいれる。
 パンジャの妻は船でロンドンに連れて行かれる途中、子供を出産する。レオである。
 母はレオに逃げるよう説得。レオは一匹海に飛び込む。しかし母を乗せた船は嵐に巻き込まれ沈む。

 陸へ流れ着いたレオはヒゲオヤジやその息子ケン一たちに出会う。
 やがて月光石が大陸移動説のカギとなる石であることが分かると人々はアフリカに調査に向かう。
 その調査にケン一とその同級生でハムの娘メリイやレオも同行する。
 やがてケン一とメリイは国に帰り、残ったレオはジャングルの王者になる。

 レオはライヤと結婚し、ルネとルッキーの父親となっていた。
 人間の世界に憧れたルネは一人旅立つが、人間が悪い生き物であることを知る。

 このころジャングルでは伝染病がはやりライヤをはじめたくさんの動物たちが死んでいた。
 しかし、ケン一の同級生だったアルベルトによりやがて伝染病はなくなる。
 アルベルトに感謝したレオはヒゲオヤジ、マイナス博士といった月光石調査団を案内し、  ムーン山へ向かう。途中、レオは失明しながらもムーン山へ向かう。
 そして月光石を見つけ下山の途中吹雪に見回れヒゲオヤジ
 食料も防寒具もない中で、レオはヒゲオヤジに自分を殺すように言う。 殺して毛皮を作り、自分の肉を食べればヒゲオヤジは助かるというのだ。
 そんなことはできないというヒゲオヤジに対しレオはわざと襲いかかる。
 ヒゲオヤジはとっさにレオを刺し殺してしまう。レオはこれで良かったと息途絶える。

 生き延びたヒゲオヤジが川を下っていると、川下から一匹のライオンが上ってくる。ルネだった。
 ヒゲオヤジから立派な父の話を聞いたルネはやがてジャングルの王者となるのだった。

 この作品は昭和25年から月刊誌「漫画少年」に連載されました。
 冒頭で二度と読めないかもと書きましたが、実は…
 この漫画少年版にはジャングルという設定上、たくさんの黒人が登場します。そのため差別などの問題から現在の復刻は非常に困難なのです。
 1990年より限定1000部全5巻で復刻が始まりましたが、さまざまな団体から 圧力がかかり、4巻〜5巻は出版社名を伏せてなんとか刊行されたということも ありました。
 現在、全集などで読むことができる「ジャングル大帝」はすべて書き直された改訂版なのです。