追悼・永島慎二氏

「漫画家残酷物語」

 先日、鬼籍に入られた漫画家の永島慎二さんの代表作のひとつ「漫画家残酷物語」を紹介します。
 永島氏といえば寺山修司に次ぐ家出の神様、若者の教祖と言われ、この作品を描いた後失踪し新宿界隈で有名なフーテンとなり、復活したと思えば手塚治虫のアニメ「ジャングル大帝」の演出などもこなし、梶原一騎を原作に「柔道一直線」を描いたりと数多くの作品を残しました。

 「漫画家残酷物語」は昭和30年代に貸本に連載された作品で、漫画に青春をかけた青年達の姿を追いかけた作品です。
 挫折し諦めかけた時に、少女がボロボロの漫画本を大切に持っているのを見て再起を誓う者。故郷の親に心配かけまいと自分は今、売れて大忙しだと嘘をつく者。志半ばで病に倒れこの世から去っていく者、自らの命を絶つ者…決して明るいばかりではない漫画家たちの裏の部分を描いた作品は、その後何度も復刻されて現在でも読むことが出来る名作です。

 個人的には私のもう一つのホームページである「ガロ初代編集長 長井勝一漫画美術館」オープンにも多大なご協力を頂きました。
 一緒にホームページを見ながら談笑したり、酒を交わしたり…永島氏との思い出は一生の宝物です。謹んでご冥福をお祈りいたします。
   
 


漫画家残酷物語 その27「びんぼうなマルタン」(「刑事No.40」東京トップ社1964年8月)