成田空港・本当の歴史
尾瀬あきら「ぼくの村の話」
2007/4/26

 毎日、旅行客で賑わう成田空港。この空港が出来るまでには国と住民との激しい抗争がありました。私が小さい頃は、ニュース番組でその争いがいつも報道されていました。
 それまでそこの暮らしていた人たちが、突然立ち退きを命じられる。反対する住民は機動隊と衝突する。当時の報道では、国の命令を聞かずに居座る住民が"悪"ととれるような感じが否めませんでした。しかし、実際はどうでしょうか。

 今回紹介する「ぼくの村の話」は、ほぼノンフィクションで語られる、本当の成田抗争です。
 1966年、千葉県成田。そこには広大な農村地帯、そして御料陵牧場があり、住民達は平和に暮らしていました。しかし突然、国はそこに国際空港建設を発表し、住民に立ち退きを命じます。長年、代々にわたって暮らしてきたこの土地をそう簡単に捨てられるものではありません。しかし、国の裏工作により、次第に土地を離れていく住民。残った住民たちはさらに団結し、子供から老人までが反対運動に参加しますが、これらの住民達を
国はカネと暴力で駆逐しようとします。当然、これらの力に勝てるはずも無く、自ら命を絶ち抗議する者も現れます。そして、ついにはほぼすべての住民たちが、国の圧力により長年住んだこの土地から離れていきました。…そんな歴史の上で建設されたのが成田空港なのです。
 この闘争は終わったわけではありません。現在でも土地の拡張工事による住民との対立が続いているのです。

 この漫画に登場するすべての人物が不憫でなりません。
国家の恐ろしさをまざまざと見せてくれる漫画です。
 ※この作品の単行本は、連載当時に出版されたのみでその後は絶版となっています。まさか、国の圧力で再販不能なのかな…