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楳図かずお、古賀新一とならび古くから活躍する恐怖漫画家・日野日出志。
1967年にCOMに「つめたい汗」でデビューした彼がついに翌年ガロに登場します。それが、この「どろ人形」。
1960年代後半。下町では公害のために体の一部を失った子供たちがいた。この子達は夕方になると集まり、どろで人形をこしらえた。毎日交替でこの人形を憎い大人たちに見立てて壊すのだ。
今日、このどろ人形を壊すのは右目を失った次郎。集まる時間に遅刻しそうな次郎は秘密の通路を通って近道。そこで両目を失った犬と出会う。この犬を連れて広場へ急ぐ。他の皆はすでにどろ人形を作っていた。
出来上がったどろ人形を前に子供たちは「このどろ人形は憎い憎い大人達だ」「俺たちから目や鼻や口を奪い取るおの黒い煙を作り上げた憎い憎い大人達だ!」と口々に言い放つ。次郎は「おいらの右目を返してくれ!」といいながら木の棒をどろ人形に振り上げる。ほかの子たちも、それに続いてどろ人形に襲いかかる。
やがて、この広場に工場が建つことが決まった。どろ人形遊びが出来なくなるねと寂しがる子供たちの頭上に綺麗な夕焼けが広がっていた…。
高度経済成長時代の下層階級の子供たちを描いたこの漫画をはじめて読んだ時は衝撃でした。表紙には「これは ある見知らぬ街の片隅で ひっそり起こった 怪談である………」と書かれています。オバケや霊を描いたものと違い、実際に起こってもおかしくない物語だからこそよけい怖い漫画です。
恐怖漫画とはいえ、不自由な子供たちを生きいきと、しかも情緒的に描いたすばらしい作品です。

 掲載されたガロ1968年5月号
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