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昭和30年代、貸本漫画の人気が出てくると、それまで貸本や劇画を批判していた手塚も貸本専門誌に描かざるをえなくなってしまいます。
手塚自身も劇画の手法などを練習したということですが、自身の絵柄をそう簡単に変えることが出来るはずも無く、後に桜井昌一は「手塚さんは、実は貸本マンガの範疇に入らないんです」と語っています。
いくら拳銃や殺人を描いても、所詮丸っこいキャラクターでは劇画にはならなかったようです。
さて、今回紹介するのは昭和34年に鈴木出版から刊行された貸本専門誌『探偵漫画ブック X』の第1集に掲載された「刹那」です。
タクシー運転手ロックはある晩、ギャングを乗せる。しかし、運転を誤り重症を負い入院。そこでやはり事故で記憶を失ったジャブと出会い友達になる。しかし、ジャブこそあの晩のギャングだった。ギャングのボスはジャブにロックを殺すよう命じる、しかしジャブはロックを逃がしギャング団に立ち向かう。ギャングを倒したジャブだが、彼も銃弾を浴びていた。ジャブはギャングから足を洗うため記憶喪失のふりをしていたことをロックに打ち明け絶命する。
ストーリー的には完璧に貸本劇画ならではの作品となっており、くやしいけど面白いです(笑)
しかし、主人公のロック・ホームやボス役の豚藻負児(ブタモ・マケル)などお馴染みの手塚キャラでは、やはり劇画じゃなくて手塚マンガだな〜

 「X」の表紙と目次
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